Q12、一番つらかったのはどこ?

 

A、この旅は思いっきり楽しむことが目的でした。

   好きで始めたことなので、「もう辞めたい」と思うことは一度もありませんでした。

   けれども、やはりつらかったことはあるわけで・・・。

   これも一番は決められないので3つだけあげておきます。

 

 

高知県中土佐町の夜道

真っ暗な山道が本当に怖かった。

旅の後半でまさかあんな思いをすることになるとは・・・。

詳しくは日記(181日目)を見て下さい。

 

 

北海道 神の子池に向かうダート

ダートの山道もきつかったが、

何よりもアブの襲撃が恐怖だった。

詳しくは日記(53日目)を見て下さい。

 

 

青森県 海峡ライン

3つの峠越えの道でハンガーノック(※)になりました。

まだ旅に慣れていなかったというのが大きな要因だと思います。

日記(16日目)にはあまり詳しく書いてなかったのでここに書いておきます。

 

 

青森県脇野沢から本州最北端の大間を目指す日であった。

出発の時点でハードな道であることはわかっていた。

地図を見るだけでもかなりのウネウネ道。

つまり、それは山道であることを示している。

宿のオーナーさんの話によると大間までは峠が3つ。

500m、300m、200mの峠を越えなくてはならないという。

 

旅をスタートしてから大きな峠越えはこの時が初めてだ。

朝食をたっぷりとって走り出した。

さっそく500mの峠。上るにつれてあたりは霧に包まれた。

車がほとんど通らない道。猿の鳴き声が恐ろしく感じる道だ。

 

なんとか一つ目の峠を越えて小さな集落まで一気に下っていく。

この道沿いにある集落は小さな漁村である。

つまり峠を越えてから海抜0mまで下らなくてはいけないのだ。

 

この時点でうっすらと空腹感を感じていた。

もしコンビニがあれば迷わずピットインしていただろう。

ただ、そこは本当に小さな漁村なのだ。コンビニなんてあるはずない。

小さな食堂はあったのだが、まだ大丈夫だろうと思ってしまった。

かばんの中には非常用にカロリーメイト1箱とチョコレート1箱を入れていたからだ。

後から考えるとこれが間違いだったわけだ。

 

2つ目の峠に差し掛かる。

これまたすさまじい山道。体が疲れてきているからなかなか進まない。

カロリーメイトとチョコレートをつまみながら上っていく。

進んでも進んでも頂上にたどり着かない。

うむ・・・。これはまずいぞ。

かなりお腹が減ってきた。カロリーメイトはなくなり、チョコレートも残りわずか。

次の集落では何か食べないと。

 

なんとか峠を越えて下りに入った。

気のせいだろうかブレーキを握る手に力が入らない。

なんとなく頭もぼーっとしている。間違いなくハンガーノックだ。

最後のチョコレートを口に入れてやっとの思いで集落にたどり着いた。

 

うぉー!食料はどこじゃ!?商店はどこだ!?もしくは食堂はないんか!?

あたりを見回すがあるのは小さな民家ばかり。

さらに歩いている人もいない。

ま、まじで!?これは本格的にヤバいよ。これからまた峠を越えなきゃならんのに。

どうしよう・・・。

最悪の場合は人を探して食料を恵んでもらうしかないか・・・?

それだけはしたくないけど、でもここで走れなくなったらどうすることも出来ない。

 

と、そんなことを考えていたら目に飛び込んできたのが自動販売機。

とりあえずカロリーが高そうなコーラを購入する。

一口飲むとその甘さが体中に染み渡っていく。なんとかホッと一息を入れることができた。

でも、それだけじゃ走り出せない。

 

そうだ!その手があった!

おれは水を購入することにした。

なぜ水なのか?バックの中にカップラーメンを入れていたことを思い出したのだ。

そしてそのまま自販機の前でごそごそとコンロを取り出しお湯をわかす。

お湯が沸くまでの時間がやたらと長く感じる。

お湯を注ぎ3分。

う、うますぎる!ありがとう日清。

人間、限界に達している時は一気に食べることはしないもんですね。

ゆっく~りと大切に食べました。

 

そこからは大間までなんとか走り切った。

ハンガーノックの恐ろしさを痛感した1日だった。

 

この日以来、食事の量はさらに増え、

フロントバックには食パンやら菓子パンが詰め込まれるようになりました。

 

※ハンガーノック・・・体がエネルギーを失った状態のこと。車で例えるとガス欠。

           力が入らないだけでなく思考能力も低下してします。